【エルデンリング考察】死衾の乙女フィアの正体は?円卓で英雄を抱く理由と、ゴッドウィンとの同衾、Dを殺した理由をわかりやすく解説
フィアは「死衾の乙女」です。英雄たちの温もりを宿し、貴い方の遺体と同衾して再びの生を与える。それが故郷での役目でした。しかし祝福によって目覚め、故郷を追われた褪せ人でもあります。円卓では表向き英雄を抱く女性として振る舞いながら、裏では死王子ゴッドウィンの同衾者として、死に生きる者たちを許す新しい律を宿そうとしていました。故郷がどこなのかは、ゲームの中で語られていません。
フィアってどんな人?
オープニングで「死衾の乙女、フィアよ」と名前を呼ばれる褪せ人の一人です。円卓の一室にいて、訪れた褪せ人にこう頼んできます。
はじめまして。祝福に招かれし英雄様 私はフィア 故あってこの円卓に身を寄せています 英雄様、ほんの一時、私に抱かれてくれませんか 貴方の生きる力、意志を、私に分けて欲しいのです
—— フィアのセリフ
抱かれると、主人公は「帳の恩寵」を受け取ります。そのかわりに、主人公の生きる力の一部をフィアに渡すことになります。
…卑しいと、お思いですか? けれど私の故郷では、これが聖なるやり方なのです
—— フィアのセリフ
円卓の褪せ人たちの中で、フィアはどこか浮いた存在です。けれどその「故郷の聖なるやり方」こそが、フィアの正体そのものでした。
「死衾の乙女」ってどういう意味?
フィアと密かに話すと、彼女は自分の役目を打ち明けます。
…故郷では、私は死衾の乙女と呼ばれていました 数多英雄の温もり、生きる力をこの身に宿した後 貴い方の遺体と同衾し、再びの偉大な生を与える 私は、そのための存在だったのです
—— フィアのセリフ
英雄たちから生きる力を集め、それを抱いて、貴い方の遺体と床を共にする。そして、その死者に再びの生を与える。 死衾とは、死者と共にする寝床のことです。
円卓で褪せ人たちを抱いていたのは、まさにこの「温もりを集める」役目の続きでした。
そして、フィアの過去にはもう一つの事実があります。
…けれど私は、貴い方が再びの生を得る前に 祝福により目覚め…、故郷を追われました
—— フィアのセリフ
フィアもまた、祝福に導かれた褪せ人でした。死衾の乙女としての役目を果たす前に、祝福に呼ばれ、故郷を追われてしまったのです。
帳の恩寵とは何?
フィアに抱かれると手に入る「帳の恩寵」の説明文は、彼女の故郷の考え方をよく表しています。
死衾の乙女がもたらす恩寵 寝所にも似た、密かな神殿の加護 その恩寵は、あらゆる痛みを忘れさせる 何も感じぬからこそ、死は安らぎなのだ
—— 帳の恩寵
何も感じぬからこそ、死は安らぎなのだ。 フィアの故郷では、死は恐れるものではなく、安らぎでした。死と生のあいだを行き来することを、聖なるものとして受け入れる文化だったのだと思います。
黄金律の世界では、死は取り除かれ、封じられたものです。フィアの生き方は、最初から黄金律と相容れないものでした。
フィアの「貴い方」はゴッドウィンだった?
そうです。フィアが最終的に同衾する相手は、陰謀の夜で魂だけが死んだ死王子ゴッドウィンでした。
フィアは、ロジェールが追っていた陰謀の夜の調べものにも、さりげなく手を貸しています。黒き刃の刻印の手がかりを主人公に渡したのも、フィアです。
そしてイベントを進めると、フィアは古びた短剣を主人公に託し、「元の持ち主に返してほしい」と頼みます。その持ち主は、死に生きる者を狩るDでした。短剣を返したあと、Dは死に、フィアはこう言います。
…やっと、取り戻せました 貴い方が、奪われた聖痕を
—— フィアのセリフ
Dは、ゴッドウィンの死に刻まれた聖痕、つまり死の呪痕の片方を持っていました。フィアはDを殺して、それを取り戻したのです。黄金律の側に立って死に生きる者を狩るDと、死に生きる者の母になろうとするフィア。二人は最初から敵同士でした。
フィアは何を望んでいたの?
深き根の底でフィアの英雄たちを退けると、フィアは主人公に、自分たちを否定するのかと問いかけます。
あの乱暴な、黄金律の原理主義者たちのように 我らのすべてを否定するのですか?
—— フィアのセリフ
否定しないと答えると、フィアはこう言います。
私は、死に生きる者たちの庇護者 穢れの魔女とさえ、呼ばれる女です 貴方は、それでもなお、私に抱かれてくれるのですね
—— フィアのセリフ
そして、もう一つの聖痕を探してほしいと頼みます。主人公がラニの棄てた体から死の呪痕を持ち帰ると、フィアは喜びます。
これでゴッドウィンは、あるべき最初の死者となり きっと再びの、偉大な生を得るでしょう
—— フィアのセリフ
フィアの望みは、ゴッドウィンに「再びの生」を与えること。そしてその子として、死に生きる者たちのための律を宿すことでした。
私の子を、ルーンを掲げ、王になってはもらえませんか 死に生きる者たち、そのあり様を許す 我らの、エルデの王に
—— フィアのセリフ
フィアが宿したのが、死王子の修復ルーンです。
それは、2つの欠環が合わさった聖痕であり 死に生きる理を、律の一部とするものである 黄金律は、運命の死を取り除くことで始まった ならば新しい律は、死の回帰となるであろう
—— 死王子の修復ルーン
このルーンを使ったエンディングについては、エンディング6種類の比較で書きました。
フィアは使命に縛られていただけ?
フィアは死衾の乙女として生まれ、その役目のために生きてきました。けれど最後のセリフを聞くと、それだけではなかったことがわかります。
…お別れですね、貴方 …でも私は、満足しているのです 押し付けられた遺体でなく、自らの意志でゴッドウィンと同衾し …子を宿すのですから それに、その子はきっと、貴方の温もりを継いでいる 死衾の乙女として生まれ、これ以上の幸福があるでしょうか
—— フィアのセリフ
押し付けられた遺体でなく、自らの意志で。 故郷では、同衾する相手は決められていました。フィアは褪せ人として故郷を追われたことで、はじめて自分で相手を選べたのです。
役目を捨てたのではなく、役目を自分のものにした。メリナが「母の意志とは関係なく、ただ私が望む、世界の姿のために」と言ったのと、どこか重なります。
フィアの最期は?
修復ルーンを宿したあと、フィアは深き根の底で眠りにつきます。そこへ現れるのが、殺されたDの兄弟です。兄弟の仇として、彼はフィアを手にかけます。
フィアが倒れるときに残す言葉は、彼女の生き方そのものでした。
…貴方たちは、ずっと、そうするのですか… …弱き、者たちを…
—— フィアのセリフ
黄金律から外れた弱い者たちを、黄金律の名のもとに否定し続ける。フィアが最後まで抗っていたのは、その世界でした。
まだわからないこと
正直に書いておきます。
フィアの故郷がどこなのかは、まったく語られていません。死者と同衾して再びの生を与えるという文化が、狭間の外のどこにあったのかはわかりません。
フィアが本来、故郷で同衾するはずだった「貴い方」が誰だったのかもわかりません。ゴッドウィンは狭間に来てから選んだ相手だと読めますが、確かなことは言えません。
そして、フィアが宿した子が、本当にゴッドウィンの「再びの生」になったのか。修復ルーンを使ったエンディングでも、その姿は描かれません。