【エルデンリング考察】ラニの目的とは?二本指を拒んだ理由と「星の世紀」エンドの本当の意味をわかりやすく解説
ラニの目的は、二本指に操られる運命から逃れ、自分の律「星と月、冷たい夜の律」を、生きる者たちから遠く離れた場所に置くことでした。本人がはっきりそう語っています。星の世紀エンドは、律が人々に触れなくなる世界の始まりです。英語版では支配の始まりのように訳されていますが、日本語の原文はむしろ逆で、律を遠ざける誓いです。
初代エルデの王との子
… ゴドリック 黄金の血筋の遠い子孫
同じ体を持つ二人。二代目のエルデの王の時代の子
カーリアでの子。のちにマリカの義理の子としてデミゴッドに
父は語られていない。DLCで明らかになった子
ラダゴンはマリカと同じ体を持つ「もう一人」。ラダーン、ライカード、ラニはラダゴンの子として、マリカの義理の子になった。
ラニってどんな人?
満月の女王レナラと、ラダゴンの娘です。兄はラダーンとライカード。
ゲームの序盤、リムグレイブのエレの教会で、「魔女レナ」と名乗って主人公に声をかけてきます。
…はじめまして、褪せ人よ 私は魔女、レナ 霊馬を駆る、褪せ人がいるときいてな
—— ラニのセリフ
青い肌に四本の腕。その姿は人形のものです。ラニは自分の本当の体を、とうの昔に捨てています。
湖のリエーニエにあるラニの魔術師塔で再会すると、彼女は自分のことをこう紹介します。
私は魔女ラニ。かつて死を盗み、今も暗き路を探している そしていつか、すべてを裏切り、すべてを棄てるだろう …どうだ、興味が出てきただろう?
—— ラニのセリフ
「すべてを裏切り、すべてを棄てる」。最初からそう宣言して仲間を誘う。ラニはそういう人物です。
なぜ自分の体を殺したの?
ラニのイベントを進めると、ミニチュアの人形になったラニが、昔話をしてくれます。
…私は、かつて神人だった デミゴッドの中で、ミケラとマレニア、そして私だけが それぞれの二本指に見出され、女王マリカを継ぐ、 次代の神の候補となったのだ
—— ラニのセリフ
ラニは、マリカの次の神になるはずの存在でした。ミケラ、マレニアと並ぶ、たった三人の神人の一人です。
…そして私は、二本指を拒んだ 死のルーンを盗み、神人たる自らの身体を殺し、棄ててでも 私は、あんなものに操られたくはなかったのだ
—— ラニのセリフ
二本指に操られたくなかった。 これがすべての出発点です。
二本指は、大いなる意志の言葉を伝える存在です。神人として生まれた以上、ラニの運命は二本指に決められていました。次の神になり、大いなる意志の律を世界に敷く。ラニはそれを拒みました。そのために選んだのが、神人である自分の体を殺すことでした。
陰謀の夜を起こしたのはラニなの?
体を殺すために必要だったのが、死のルーンです。ラニは陰謀の夜について、はっきりと認めています。
死のルーンの一部を盗み、儀式により、それを神殺しの黒き刃となした すべて私が、やったことだ
—— ラニのセリフ
陰謀の夜、ゴッドウィンは魂だけが死に、ラニは肉体だけが死にました。デミゴッド最初の死者は二人いたのです。ラニにとって陰謀の夜は、自分を殺すための夜でした。
ただし、ラニ一人の犯行だったとは考えにくい点もあります。そこは陰謀の夜の真相で詳しく書きました。
ラニを狙う「災いの影」って何?
ラニは今も、二本指に狙われています。
…それ以来、私と二本指は、お互いを呪っている 災いの影とは、あやつの刺客なのだよ
—— ラニのセリフ
災いの影を最後まで倒すと、ラニは二本指に向けてこう言い放ちます。
…影よ。お前が最後だ 二本指に伝えるがいい 魔女ラニが、お前に刻みに行くと 決して癒えぬ、運命の傷を
—— ラニのセリフ
ラニが主人公に探させていた「ノクローンの秘宝」は、そのための武器でした。
運命なき者には振るうことはできず 大いなる意思と、その使いたちを 傷つけることができるという
—— 指殺しの刃
大いなる意志と、その使いである二本指を傷つけられる刃。ラニは逃げるだけでなく、二本指に反撃するつもりだったのです。
ラニの「冷たい夜の律」って何?
イベントの終盤、ラニは自分の律について語ります。ここが、ラニを理解するうえで一番大事なセリフです。
私の律は、黄金ではない。星と月、冷たい夜の律だ …私はそれを、この地から遠ざけたいのだ 生命と魂が、律と共にあるとしても、それは遥かに遠くにあればよい 確かに見ることも、感じることも、信じることも、触れることも …すべて、できない方がよい だから私は、律と共に、この地を棄てる
—— ラニのセリフ
律は、遥かに遠くにあればよい。 見えず、感じられず、触れられないほど遠くに。
黄金律の世界では、律が人々のすぐそばにありました。祝福は瞳に宿り、死さえも律に管理され、デミゴッドたちは律に呪われて生まれた。ラニはそれを見てきました。だから、自分の律を敷くのではなく、律そのものを人々から遠ざけようとしたのだと思います。
ラニの象徴である月も、遠く冷たいものとして描かれています。
母レナラに手を引かれ、幼いラニが出会った月 それは、冷たく暗い神秘の月であった
—— ラニの暗月
星の世紀エンドは怖い結末なの?
ラニのエンディング「星の世紀」は、英語圏ではしばしば「怖い結末」として語られます。ラニが世界から感情を奪う、と読まれることが多いからです。
ただ、これは英語版の訳に原因があると指摘されています。日本語の原文はこうです。
私は誓おう すべての生命と、すべての魂に これよりは星の世紀 月の理、千年の旅 すべてよ、冷たい夜、はるか遠くに思うがよい 恐れを、迷いを、孤独を そして暗きに行く路を
—— ラニのセリフ(星の世紀エンディング)
「すべてよ、冷たい夜、はるか遠くに思うがよい」。冷たい夜、つまりラニの律を、はるか遠くのものとして思え。律は遠くにある、という誓いです。
英語版では、この一文が「すべてを包む冷たい夜が、ここから始まる」という意味に訳されています。意味がほぼ逆です。前の章の「確かに見ることも、感じることも…すべて、できない方がよい」も、英語版では「感情を持てなくする」と読める訳になっています。日本語では、できなくなるのは「律を」見ること、感じることです。
個人的には、星の世紀は怖い結末ではないと考えています。律が人々の手の届かない遠くへ行き、生きる者たちは律に縛られずに、恐れも迷いも孤独も自分で抱えて生きていく。冷たいけれど、自由な世界です。
ただし、ラニが去ったあとの狭間の地が平和になるとは限りません。黄金律の守り手はもういないからです。星の世紀を「その後が心配な結末」と読む考察もあり、ここは見方が分かれます。
なぜ主人公がラニの「王」になるの?
ラニのイベントの最後に、主人公は暗月の指輪を手に入れます。
月の王女ラニが、その伴侶に贈るはずだった 冷たい契りの指輪 ラニが神人であれば、伴侶とは即ち王である そして指輪には、忠告が刻まれている 何者も、これを持ち出すことなかれ 夜の彼方、その孤独は、私だけのものでよい
—— 暗月の指輪
「夜の彼方、その孤独は、私だけのものでよい」。ラニは本当は、誰も連れていくつもりはありませんでした。律と共に去る孤独を、一人で背負うつもりだったのです。
それでも主人公が指輪をはめると、ラニは目を覚ましてこう言います。
…お前が、私の王だったのだな 忠告など、無駄なことだったか …だが、嬉しいよ。私の王が、お前でよかった
—— ラニのセリフ
カーリアの女王は、伴侶に月の大剣を贈る習わしがありました。
歴代のカーリア女王たちが その伴侶に贈るという月の大剣
—— 暗月の大剣
ラニにとって主人公は、伴侶であり王でした。「一人で行く」と決めていた夜の旅に、ついてきてくれた唯一の相手です。
トレントの古い主って誰?
最初にエレの教会で会ったとき、ラニは主人公に霊喚びの鈴を渡します。
お前に、預かりものがあってな トレントの古い主が、私に託したものだ
—— ラニのセリフ
トレントは、主人公が乗る霊馬です。メリナが主人公に託した霊馬でもあります。そのトレントに「古い主」がいて、その主がラニに鈴を預けていた。
この「古い主」が誰なのかは、ゲームの中で語られません。メリナではないか、マリカではないか、ラニが幼いころに魔術を習った雪魔女ではないか。いろいろな説がありますが、決め手はありません。ここはエルデンリング全体でも有数の謎の一つです。
まだわからないこと
正直に書いておきます。
ラニがなぜ二本指を「あんなもの」と呼ぶほど嫌ったのか。具体的に何をされたのか、何を見たのかは語られていません。
ラニを狙う刺客たちの中には、黒き刃の刺客もいます。陰謀の夜に手を組んだはずの一族が、なぜラニを狙うのか。恨みなのか、二本指に操られているのか、はっきりしません。
そして、星の世紀のその後。千年の旅の先に何があるのか。ラニと主人公がどこへ向かったのか。ゲームはそこで終わります。
ラニがイベントの途中で残した言葉があります。ブライヴとイジーに伝えてくれ、と頼んだ一言です。
ブライヴとイジーに、伝えてくれ …愛していると
—— ラニのセリフ
すべてを裏切り、すべてを棄てると言いながら、仲間のことはちゃんと愛していた。冷たい律を選んだのは、冷たい人だったからではない。そう思わせてくれるキャラクターです。