【エルデンリング考察】メスメルとは?瞳に封じられた蛇と、最期に母マリカを呪った理由をわかりやすく解説
メスメルはマリカの息子で、生まれつき体の中に「邪な蛇」を宿していました。マリカはその瞳を封印の祝福に入れ替えたうえで、彼を影の地に隠し、角人への粛清を任せます。メスメルは母の願いのために自ら恐怖の象徴となり、母に見棄てられたあとも聖戦を続けました。最期の「私は、呪う。貴方を」は、ずっと押し殺してきた母への思いが、最後にようやく言葉になったものだと考えています。愛していたからこそ、呪うしかなかったのだと思います。
メスメルってどんな人?
DLC「SHADOW OF THE ERDTREE」の舞台、影の地を治めていたデミゴッドです。女王マリカの息子で、「串刺し公」と呼ばれています。
影の城で主人公と向き合ったとき、メスメルはこう言います。
…不躾な侵入者よ 貴公が、褪せ人か 母は、本当に、王たるを託したのか …光無き者などに …だが、我が使命は不変なり 黄金の祝福無きすべてに、死を …メスメルの火を
—— メスメルのセリフ
黄金の祝福無きすべてに、死を。 メスメルは、黄金の祝福を持たない者を焼き尽くす使命を負っていました。その使命は、母マリカから与えられたものです。
メスメルの中にいた「邪な蛇」とは?
メスメルを倒して手に入る追憶には、彼の生まれが書かれています。
メスメルの中には、邪な蛇が蠢いていた 母は、その瞳を封印の祝福に入れ替え それでもなお、彼を影に隠した はじまりの罪と、忘れ得ぬ憎しみと共に
—— 串刺し公の追憶
メスメルは、体の中に「邪な蛇」を宿して生まれました。マリカはその蛇を抑えるために、メスメルの瞳を「封印の祝福」に入れ替えた。それでも足りず、メスメルを影の地に隠しました。
メスメルのそばには、いつも翼のある蛇たちがいました。
有翼の蛇たちは、常にメスメルの友であった 邪な蛇を瞳の奥に封じ、苦悩した永き時も 母の祝福を壊し、自らの宿命を受け容れた おぞましい姿の後も
—— メスメルシリーズ(兜)

火の騎士の兜の説明文によれば、この有翼の蛇は「善なる知性を持つ友人であり、邪な蛇を牽制し、その力を抑え込む」存在でした。メスメルの中の蛇は邪悪で、外の蛇は友だった。メスメルはずっと、蛇に囲まれ、蛇に苦しめられて生きていたのです。
メスメルは何をしたの?
マリカがメスメルに与えた使命は、影の地の角人への粛清でした。メスメルの鎧の説明文です。
母の願い、粛清の聖戦のために メスメルは自らを恐怖の象徴とした 嘆きも、呪詛も、ただ私だけを責めればよい
—— メスメルシリーズ(胴鎧)
嘆きも、呪詛も、ただ私だけを責めればよい。 メスメルは、母の願いを叶えるために、恨みのすべてを自分一人で背負うと決めていました。「串刺し公」という恐ろしい呼び名も、そうして自ら選んだ汚名です。
なぜマリカが角人の粛清を望んだのかは、マリカの正体で詳しく書いています。マリカの故郷である巫子の村は、角人に苦しめられていました。粛清は、神になったマリカの報復だったと考えられます。
メスメルは自分の火をどう思っていたの?
メスメルの炎は、狭間の地では禁じられた「火」の力です。けれど、メスメル自身はその火を憎んでいました。
メスメルは、自らの火を憎んでいた 故に幾度となく、それを潰し 消し去ろうとした
—— メスメルの火球
そして、メスメルの体の中で燃えていた種火には、こう書かれています。
串刺し公、メスメルの内に燃えていた種火 それは暗く、邪な蛇に蝕まれている (中略) メスメルもまた、その妹と同じように 火の幻視を宿していた
—— メスメルの種火
その妹と同じように。 メスメルには、同じく火の幻視を宿した妹がいました。黄金樹を焼く贄となったメリナのことだと考えられます。詳しくはメリナの正体で書いています。
兄は影の地で火を振るい、妹は狭間の地で自らを火にくべた。マリカの子のうち、火を宿した二人は、どちらも母の計画のために火を使い果たすことになりました。
メスメルに仕えたのはどんな人たち?
メスメルは、ただ恐れられていただけの人物ではありません。彼に仕えた者たちの装備には、メスメルへの忠誠が刻まれています。
彼らは皆、黄金樹の貴族であったが メスメルに忠誠を誓ったが故に 疎まれ、故郷を追われたという
—— 火の騎士シリーズ
彼らだけが、メスメルを知っている その蛇たるを。蛇たる苦悩を
—— 火の騎士シリーズ(胴鎧)
火の騎士たちは、黄金樹の貴族という地位を捨ててまで、メスメルについてきた人々でした。そして彼らだけが、メスメルが蛇であることを知っていました。
一方、メスメル軍の主力だった黒騎士たちは、そのことを知りませんでした。
黄金樹を追われてなお、敬虔な信徒であり続け メスメルの蛇たるを知った後、反旗を翻した そして破れ、地下墓に幽閉されたという
—— 黒騎士長、アンドレアス
父アンドレアスに従い、メスメルに反旗を翻し 破れて、地下墓に幽閉された 戦友を失い、メスメルは大いに嘆いたという
—— 黒騎士の副長、ヒュー
戦友を失い、メスメルは大いに嘆いた。 自分の正体を知って背いた部下を、メスメルは殺さず幽閉し、そして嘆きました。恐怖の象徴を名乗りながら、仲間を失うことには耐えられない人物だったのです。
もう一人、メスメルの友がいます。猪に乗る将軍、ガイウスです。
共に獅子の兄であったが故に そして、その生まれを呪いと呼ばれたが故に ガイウスはメスメルの将となり、友となった
—— 猪乗りの追憶
「獅子」は、赤獅子と呼ばれたラダーンのことだと読めます。メスメルとガイウスは、どちらもラダーンの兄のような存在で、どちらも生まれを呪いと呼ばれた者でした。
戦いの途中で何が起きるの?
主人公との戦いでメスメルが追い詰められると、ムービーが入ります。
…あってはならぬ 光無き者が、王になるなど 母よ。許したまえ
—— メスメルのセリフ
そしてメスメルは、自分の瞳に手をかけ、母が入れ替えた封印の祝福を取り出して砕きます。
…褪せ人よ お前を、喰らいつくしてやる 光無き、深淵の蛇が
—— メスメルのセリフ
母よ。許したまえ。 母がかけた封印を、自分の手で壊す。それは母の願いに背くことでした。それでもメスメルは、光無き者を王にしないという「母の使命」を果たすために、母の封印を壊したのです。母の願いを守るために、母の祝福を捨てた。メスメルの最後の戦いは、そういう矛盾の中にありました。
なぜ最期に母を呪ったの?
主人公に敗れたメスメルは、最期にこう言い残します。
…母よ、マリカよ 私は、呪う。貴方を…
—— メスメルのセリフ
「母よ」と呼びかけたあと、「マリカよ」と名前で呼び直しています。母としてではなく、一人の神としてのマリカに向けた呪いです。
ここが、メスメル考察の一番のポイントです。
母のためにすべてを背負ってきた息子が、なぜ最期に母を呪ったのか。読み方は大きく二つあります。
一つは、ずっと押し殺してきた恨みが出たという読み方です。蛇を宿して生まれ、瞳を入れ替えられ、影に隠され、汚れ仕事を任され、そして見棄てられた。そのすべてを「ただ私だけを責めればよい」と飲み込んできたメスメルが、死の間際に初めて本音を口にした。
もう一つは、母への最後の願いだったという読み方です。メスメルが「嘆きも、呪詛も、ただ私だけを責めればよい」と言ったとき、呪詛を受けるのは自分の役目でした。最期に母を呪ったのは、母の罪を自分が引き受けるのをやめた瞬間だとも読めます。
個人的には、どちらか一つではないと考えています。メスメルは母を愛していた。愛していたから、母のために恐怖の象徴にもなれた。そして愛していたからこそ、最後に呪うしかなかった。もし母に何の思いもなかったなら、わざわざ呪う必要もありません。
戦いの途中で「母よ。許したまえ」と言った人が、最期に「私は、呪う」と言う。メスメルは、許しを求めることと呪うことを、どちらも母に向けていました。
「はじまりの罪」とは何だったの?
追憶の最後の一文に戻ります。
それでもなお、彼を影に隠した はじまりの罪と、忘れ得ぬ憎しみと共に
—— 串刺し公の追憶
マリカがメスメルと一緒に影に隠した「はじまりの罪」と「忘れ得ぬ憎しみ」。これが何なのかは、はっきりとは書かれていません。
当サイトでは、マリカが神になるまでに犯した罪と、故郷を苦しめた角人への憎しみだと読んでいます。マリカは、自分が神になった過去の暗い部分を、影の地ごと、そしてメスメルごと隠した。メスメルは、母の罪を背負わされた息子だったのです。
ただ、「はじまりの罪」は、蛇を宿して生まれたメスメル自身のことだ、という読み方もできます。マリカにとって、メスメルの存在そのものが、隠しておきたい罪だったのかもしれません。
まだわからないこと
正直に書いておきます。
メスメルの父親が誰なのかは、語られていません。マリカの夫であるゴッドフレイやラダゴンの子なのか、それとも別の誰かの子なのか。メスメルの中の「邪な蛇」がどこから来たのかも、わかりません。
マリカがいつ、なぜメスメルを見棄てたのかも、はっきりとは書かれていません。
そして「深淵の蛇」と、本編のライカードが一体になった大蛇や、火山館の蛇たちとの関係。同じ蛇でも、つながりを示すテキストは見つかっていません。