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【エルデンリング考察】狂い火の王ミドラーとは?角人の劫罰と、ナナヤの「耐えてください」が呪いになった理由をわかりやすく解説

更新: 2026-10-06
黄色い衣の痩せた人物が、頭を貫く黄金の大剣を両手で引き抜こうとしている
館の主ミドラー 画像:ELDEN RING 公式サイトより ©Bandai Namco Entertainment Inc. / ©2022 FromSoftware, Inc.
結論から言うと 有力な推理

ミドラーは、角人に禁じられた奈落の森の館に住んでいた賢者です。狂い火を宿したために、角人から最高の劫罰として黄金の大剣で貫かれ、永遠の苦痛を与えられていました。妻ナナヤの「耐えてください」という言葉にすがって耐え続けましたが、その言葉は苦しみを長引かせる呪いでもありました。最後に耐えるのをやめたミドラーは狂い火の王として目覚めますが、それでも「王としては弱すぎた」と語られています。

ミドラーってどんな人?

DLC「SHADOW OF THE ERDTREE」に登場する、もう一人の狂い火の王です。

影の地の奥、陽の光も届かない奈落の森に、ミドラーの館があります。かつては「賢者」と呼ばれた人物の住まいでした。館に足を踏み入れると、ミドラーの声が響きます。

…帰れ 近付くな… 狂気に、近付くな

—— ミドラーのセリフ

狂い火の王でありながら、近づく者に「狂気に近づくな」と警告する。ミドラーは、そんな矛盾を抱えた人物でした。

狂い火そのものについては、狂い火とは何かで詳しく書いています。

館では何が起きていたの?

館には、ミドラーに仕えた職人が書き残した製法書があります。

館の主ミドラーと、その妻ナナヤに仕え 狂い火に瞳を焼かれた職人の製法書

—— 狂った職人の製法書【1】

ミドラーには、ナナヤという妻がいました。そして館に仕えた者たちは、狂い火に瞳を焼かれていました。館そのものが、狂い火に呑まれていたのです。

奈落の森は、角人によって立ち入りを禁じられた土地でした。館の霊たちは、同じ血筋の同胞であるはずの角人に、なぜこれほど残酷なことをされるのか、偉大なミドラーが何の罪を犯したというのか、と訴えています。

角人はなぜミドラーを罰したの?

ミドラーの体は、黄金の大剣に貫かれていました。

館の主ミドラーを貫いていた黄金の大剣 角人たちが、最高の劫罰に用いたもの 犠牲者を内から貫く幾本もの逆棘が ゆるりと巻き取られている

—— 劫罰の大剣

最高の劫罰。 角人たちが与えられる、もっとも重い罰でした。内側から逆棘で貫き続ける、終わらない苦痛です。

なぜ角人は、それほどまでに狂い火を憎んだのか。その答えが、狂い火で燃やした霊墓石の説明にあります。

狂い火は、霊すらを焼き溶かし 永遠であるはずのそれを、消し去るという 角人が狂い火を忌避する所以である

—— 迸る狂い火

角人は、霊を永遠のものとして重んじる人々でした。死んでも霊は残る。その永遠を、狂い火は焼き溶かしてしまう。角人にとって狂い火は、死よりも恐ろしい「終わり」だったのです。

狂い火を宿したミドラーは、殺されるのではなく、永遠に苦しむ罰を与えられました。霊を消し去る火を宿した者に、死という逃げ道すら与えない。角人らしい罰だったと思います。角人についてはマリカの正体でも触れています。

ナナヤの「耐えてください」とは?

ミドラーを倒すと手に入る追憶に、こう書かれています。

黄金の逆棘のもたらす、永遠の苦痛の中で ミドラーは、ナナヤの言葉に縋っていた 耐えてください それは、呪いの言葉であった

—— 狂い火の王の追憶

妻ナナヤは、ミドラーに「耐えてください」と言いました。ミドラーはその言葉にすがり、永遠の苦痛に耐え続けました。

なぜそれが「呪いの言葉」なのか。読み方は大きく二つあります。

一つは、耐えることで苦しみが長引いたという読み方です。逆棘は永遠に体を苛みます。耐えれば耐えるほど、苦痛の時間は延びていく。愛する人の励ましが、そのまま苦しみを終わらせない鎖になってしまった。

もう一つは、耐えることで何かを守っていたという読み方です。ミドラーが狂い火の王として目覚めずに耐えている限り、ナナヤや館の者たちは焼き溶かされずに済む。だから「耐えてください」だった。そう考えると、ナナヤの言葉は愛情であり、同時に夫を永遠の苦痛に縛りつけるものでもあったことになります。

個人的には、後者がしっくりきています。狂い火の王が目覚めれば、すべては焼き溶かされます。ナナヤは、それを止められるのが夫の忍耐だけだと知っていたのではないでしょうか。

「ナナヤの灯」は何を抱いていたの?

ナナヤの名を持つ松明に、こんな説明があります。

卑小な背骨の先に 消えかけの狂い火を灯した松明 古い時代、遠い場所で生まれた 狂い火の王のなりそこない、そのなれの果ては ナナヤにそっと抱かれていた

—— ナナヤの灯

狂い火の王のなりそこない。その「なれの果て」である背骨を、ナナヤはそっと抱いていた。

劫罰の大剣はミドラーを内側から貫き、その背骨の代わりになっていました。だとすれば、ナナヤが抱いていた背骨はミドラー自身のものだと読めます。苦痛の中の夫に寄り添えなかったナナヤが、夫の体の一部を抱いて過ごしていた。そう考えると、この松明はとても静かで、悲しい遺品です。

戦いの途中で何が起きるの?

主人公がミドラーの部屋にたどり着くと、ミドラーは「…痴れ者どもが!」と叫んで襲いかかってきます。けれど劫罰に縛られた体は弱く、すぐに追い詰められます。

そしてミドラーは、こう言います。

…もう もう、いいだろう… …許しておくれ、ナナヤ

—— ミドラーのセリフ

ミドラーは自分の頭を貫いていた大剣を引き抜き、狂い火の王として目覚めます。

もう、いいだろう。 永遠に耐え続けてきた人が、ついに耐えるのをやめた瞬間です。そして最初に口にしたのが、妻への謝罪でした。約束を守れなかったことへの「許しておくれ」です。

ミドラーは狂い火の王になれたの?

なれた、とも、なれなかった、とも言えます。ミドラーの力を宿す祈祷の説明です。

狂い火の王、ミドラーを讃える祈祷 狂い火の王は、焼き溶かす 苦痛、絶望、呪い。あらゆる罪と苦しみを だがミドラーもまた、王としては弱すぎた

—— ミドラーの狂い火

狂い火の王は、あらゆる罪と苦しみを焼き溶かす存在です。けれどミドラーは「王としては弱すぎた」。

「もまた」という言葉に注目すると、ミドラーより前にも、王になりきれなかった者たちがいたことになります。狂い火の王は、何度も生まれかけては失敗してきた。本編の主人公は、その中で唯一、王になりうる存在として選ばれたのかもしれません。

三本指の言葉を思い出すと、狂い火の王の役目は、すべてを焼き溶かして「大きなひとつ」に戻すことでした。ミドラーにできたのは、目覚めたその場で主人公と戦うことだけです。世界を焼くほどの力は、もう残っていませんでした。

本編の狂い火の王と何が違うの?

本編で主人公が狂い火を受け入れると、メリナは「狂い火の王など、王ではない」と止め、受け入れたあとは去っていきます。主人公は止めてくれる人の言葉を振り切って、自分から王になります。

ミドラーは逆です。止めてくれる人の言葉にすがって、ずっと王にならずに耐えてきました。そして、最後に耐えられなくなって王になる。

自ら選んで王になった者と、耐えきれずに王になってしまった者。DLCのミドラーは、本編の狂い火の王を裏側から照らす人物だと思います。

まだわからないこと

正直に書いておきます。

ミドラーがなぜ狂い火を宿したのかは、語られていません。自ら求めたのか、病のように宿ってしまったのか。

ナナヤがその後どうなったのかも、はっきりとは語られていません。残っているのは、松明と「耐えてください」という言葉です。

そして「古い時代、遠い場所で生まれた」という一文。ミドラーは影の地の外から来た人なのか。それとも、ナナヤの灯が抱いていたのは別の誰かだったのか。ここは今後も考察が続くところだと思います。