【エルデンリング考察】百智卿ギデオンとは?なぜ最後に敵になるのか、マリカの遺志に触れて恐れた「終わり」をわかりやすく解説
ギデオンは、すべてを識ることでエルデの王に近づこうとした、円卓の褪せ人たちの長です。けれど女王マリカの遺志に触れたとき、識ることにも、褪せ人の戦いにも「終わり」が来ると知り、それを恐れてしまいました。だから最後に、主人公がエルデの王になって物語を終わらせるのを止めに来たのだと考えています。「女王は、ずっと足掻き続けることを望んでいる」という彼の言葉は、その恐れから出た読み違いだと思います。
ギデオンってどんな人?
オープニングで「百智卿、ギデオン=オーフニールよ」と名前を呼ばれる褪せ人です。円卓の褪せ人たちを束ねる長として、主人公を迎えます。
二本指の言葉を聞いて円卓の正式な一員になった主人公に、ギデオンはこう名乗ります。
私は、ギデオン=オーフニール 褪せ人として、エルデンリングに見え、エルデの王となるために すべてを、識ろうとしている …君は、数少ない同志だ。ずっと、そうであってくれたまえ
—— ギデオンのセリフ
すべてを、識ろうとしている。 ギデオンは剣ではなく、知ることで王を目指した人物でした。デミゴッドたちの居場所を調べ、主人公に情報を与え、見返りに主人公が見つけた情報を求めます。
そして最後、黄金樹が焼かれたあとの灰都ローデイルで、ギデオンは主人公の前に立ちはだかります。
「百智卿」ってどういう意味?
ギデオンの装束の説明文に、その名の意味が書かれています。
無数の目と耳が散りばめられた兜/胴鎧/手甲/足甲 百智卿、ギデオン=オーフニールの装束 知とは、自らの無知を知ることであり 知ることの終わりなきを知ることである
—— 百智シリーズ
知ることには終わりがない。 それを知ることこそが知だ、という考え方です。ギデオンは、終わりのない探究そのものに価値を置いていました。
黄金樹が焼かれたあと、ギデオンはこう語っています。
…識ることに終わりはなく、また完全もない それ故に私は、百智卿であり続ける 導きも、あるいはそうなのかもしれぬ その戦いが終わるとき、我らは我らであり続けるものか?
—— ギデオンのセリフ
「その戦いが終わるとき、我らは我らであり続けるものか?」。褪せ人は、祝福の導きに従って戦うために呼び戻された者たちです。もし戦いが終わったら、褪せ人は何者になるのか。ギデオンは、そこに引っかかっていました。
ギデオンは何を知っていたの?
ギデオンの言葉には、ほかの誰も知らないことを知っているような響きがあります。
たとえば、モーゴットを倒したあと、黄金樹を焼くために巨人たちの山嶺へ向かう主人公に、ギデオンはこう言います。
行くがいい。たとえそれが、大罪であろうとも …二本指など、とうの昔に壊れていたのだ
—— ギデオンのセリフ
二本指など、とうの昔に壊れていた。 円卓の長が、円卓を導いてきた二本指をこう言い切っています。二本指が止まってしまったことについては、大いなる意志の正体で書きました。
ミケラについて調べているときには、「女王」という言葉が出てきます。
…厄介なことだ。百智卿が、こうまで識ることができぬと 女王の憂いも、むべなるかな…
—— ギデオンのセリフ
ギデオンは、女王マリカの何かを知っていたようです。それが、装束の説明文の後半に書かれていることにつながります。
「マリカの遺志」に触れて何が起きたの?
百智シリーズの説明文は、こう続きます。
だが、女王マリカの遺志に触れた時 ギデオンは恐れてしまった あるはずのない終わりを
—— 百智シリーズ
あるはずのない終わり。
知ることには終わりがない。ギデオンはそう信じていました。ところがマリカの遺志に触れたとき、彼は「終わり」を見てしまった。
マリカの遺志が何だったのかは、本人の言葉では語られません。ただ、マリカがしたことを振り返ると想像はつきます。マリカは自らエルデンリングを砕き、褪せ人を呼び戻し、いつか誰かがエルデンリングを掲げ直すよう仕組みました。マリカの計画には、壊れた時代を終わらせ、新しい時代を始めるという「終わり」が組み込まれていました。詳しくはマリカの正体で書いています。
褪せ人がエルデの王になれば、この長い戦いは終わる。導きも終わる。そして、識るべき謎も終わる。ギデオンが恐れたのは、それだったのだと思います。
なぜ最後に主人公の前に立ちはだかるの?
灰都ローデイルで、ギデオンはこう言って主人公を待ち受けます。
…ああ、やはり君だったか エルデンリングに見え、エルデの王になるのだな …しかし、残念だ その意志はよい、だが、達せられるべきではないのだよ 女王マリカは、私たちに望んでいるのだ ずっと、足掻き続けることをね
—— ギデオンのセリフ
その意志はよい、だが、達せられるべきではない。
ギデオンは、主人公がエルデの王を目指すこと自体は認めています。けれど、それが達成されてはいけないと言う。王が生まれれば、褪せ人の戦いが終わってしまうからです。
そして、それを「女王マリカの望み」だと言います。マリカは、褪せ人たちがずっと足掻き続けることを望んでいる、と。
個人的には、ここにギデオンの読み違いがあると考えています。マリカは褪せ人を呼び戻し、「エルデンリングを掲げるがよい」と約束しました。足掻き続けることではなく、いつか掲げることを望んでいたはずです。ギデオンは、終わりを恐れるあまり、マリカの遺志を「終わらないこと」に読み替えてしまったのではないでしょうか。
最後の言葉の意味は?
主人公に敗れたギデオンは、こう言い残します。
…私は、識っているぞ 褪せ人は、王とはなれぬ。たとえ、君であっても …人は、神を殺せぬのだ
—— ギデオンのセリフ
人は、神を殺せぬのだ。
最後まで「識っている」と言い張る百智卿らしい言葉です。けれど主人公はこのあと、ゴッドフレイを倒し、ラダゴンとエルデの獣を倒して、エルデンリングの前に立ちます。ギデオンの「識っている」は、最後に外れたことになります。
知ることに終わりはないと言いながら、自分の知っていることを最後まで疑わなかった。百智卿の最期は、どこか皮肉です。
ネフェリとはどういう関係?
円卓の女戦士ネフェリは、ギデオンの義理の娘です。
…君、ネフェリと話したのかね ああ、あれは私の娘でな 導きを失っていたところを、拾ったのだ
—— ギデオンのセリフ
ただ、ネフェリが疑いを抱くと、ギデオンは冷たく言い放ちます。
…もう、用済みという訳だ …まったく、困ったことだ 凡愚の意志など、忌み角にも劣る害悪というのに …だが女王は、それをこそお望みかもしれぬ 我ら褪せ人にな
—— ギデオンのセリフ
ここでも「女王」が出てきます。凡人の意志は害悪だと言いながら、女王はそれをこそ望んでいるのかもしれない、と迷っている。ギデオンは、マリカの遺志を知ったあとも、それをどう受け止めればいいのか、最後まで揺れていたように見えます。
ネフェリに渡すはずだったセルブスの薬を処分してくれたのも、ギデオンです。その件はセルブスの正体で触れています。
まだわからないこと
正直に書いておきます。
ギデオンがいつ、どうやってマリカの遺志に触れたのかは語られていません。「あの言葉」「女王の憂い」と、何かを聞いたような口ぶりはありますが、それが何なのかはわかりません。
ギデオンが恐れた「終わり」が、具体的に何の終わりだったのかも推理です。識ることの終わりなのか、褪せ人の戦いの終わりなのか、それとも世界の終わりなのか。
そして、ギデオンの言う「女王の望み」が、本当に読み違いだったのか。マリカが本当に、褪せ人に足掻き続けることを望んでいた可能性も、完全には否定できません。